<各論>
第4章
第
4
章 健康づくりの推進
第1節 生活習慣病の発症予防と重症化予防
1 がんから身を守る
がんは、本市における死亡原因の第 1 位であり、2人に 1 人は一生のうちに何らかのがん にかかる(罹患する)といわれています。
がんにかかりやすい要因としては、がんに関連するウイルスへの感染及び生活習慣と関 連性のある喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、身体活動の低下、肥満・やせ、野菜・果
物不足、塩分・塩蔵食品の過剰摂取などがあげられます。
がんによる死亡を防ぐためには、自覚症状がなくても有効性が認められているがん検診
を定期的に受け早期発見、早期治療に努めることが大切です。
(1)現状と課題
高齢化に伴い、がんによる死亡者は今後も増加していくことが予想されますが、高齢 化の影響を除いた死亡率を見ていくことががん対策では重要となっています。
本市の統計においては、がんは死因の第 1 位であり、75 歳未満のがんによる死亡状況 では胃や腸、すい臓などの消化器のがん及び肺がんによる死亡者が多い状況にあります 。
(表1)
今後も、検診受診率の向上につとめ、がんの早期発見、早期治療につなげることで、
75 歳未満のがんの死数の減少を図ることが重要です。
子宮頸がん検診、乳がん検診の受診率は、個別通知による受診勧奨や節目検診の無料
化等、また、国のがん検診推進事業を実施し効果が見られています。
しかし、肺がん検診、胃がん検診、大腸がん検診についてはまだまだ受診率が低く、
35 歳から検診を実施していますが、特にその年代の受診率が低いことから、今後の検診
の周知について検討が必要です。(表 2.4)
本市の精密検査受診率は、最も低い大腸がん検診が80.3%となっており、がん検診受 診者の中から、毎年がん及びがん疑いの方が、60人以上見つかっていることから、今後
も精密検査の受診率の向上を図っていく必要があります。(表 3)
また、最近では、ウイルス感染が原因となるがんの検査や予防接種を実施することに より、がんの発症予防に努めています。
表1 75 歳未満のがんによる部位別死亡の状況(人)
部 位
気管・気管支及び肺 23 23
胃 24 25
腸 20 27
すい臓 17 17
肝及び肝内胆管 16 13
胆のう・胆道 6 12
食道 9 7
乳房 7 5
子宮 5 4
その他 43 25
総数 170 158
表2 各種がん検診受診率(%) 表3 各種がん検診の精密検査受診率(%)とがん発見者数(人)
(市がん検診統計)
表4 平成23年度各種がん検診年代別受診率(%) (市がん検診統計)
・胃がん・肺がん・大腸がん検診は35 歳から実施 ・乳がん検診は40 歳から実施
・子宮がん検診は20 歳から実施
(2)目 標
がんによる死亡を減少させるため、各種がん検診の受診率の向上を図り、がんを早期に
発見し、早期治療を目指します。
項 目 現状値(平成23年度) 目標値(平成34年度)
75 歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少 79.5(平成22) 73.9
がん検診の受診率の向上 胃がん 21.9% 40%
肺がん検診(肺野部) 18.5% 40%
大腸がん検診 27.3% 40%
子宮がん検診(頸部) 51.5% 現状維持
乳がん検診(視触診) 51.5% 現状維持
乳がん検診(マンモ) 45.0% 50%
※子宮がん検診は20 歳~69 歳の受診率、それ以外の検診は40 歳~69 歳の受診率を使用
胃がん検診 14.9 17.6
肺がん検診(肺野部) 17.4 13.9 大腸がん検診 19.6 22.3 子宮がん検診(頸部) 19.7 33.5 乳がん(視触診)検診 18.7 29.9 乳がん(マンモ)検診 15.3 26.0 前立腺がん検診 10.0 平成19年度 平成23年度
胃がん検診 5.4 19.6 19.2 24.0 18.7
肺がん検診(肺野部) 4.2 15.8 16.1 20.5 13.5
大腸がん検診 5.0 24.7 24.2 29.7 23.5
子宮がん検診(頸部) 19.1 36.4 45.8 25.0 14.6 7.6
乳がん(視触診)検診 41.5 27.4 16.5 6.5
乳がん(マンモ)検診 32 21.8 13.3 5.4
20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代
胃がん検診 精検受診率 82.6 84.5
がん発見者数 15 19 精検受診率 77.5 83.0
がん発見者数 10 6
大腸がん検診 精検受診率 66.5 80.3
がん発見者数 19 27 精検受診率 97.4 97.3
がん発見者数 7 2 精検受診率 85.5 88.1
がん発見者数 6 4 精検受診率 93.6 93.4
がん発見者数 7 3
前立腺がん検診 精検受診率 82.3
がん発見者数 29
平成19年度平成23年度
肺がん検診
(肺野部)
子宮がん検診 (頸部)
乳がん (視触診)
乳がん (マンモグラフィ)
(3)対 策
ア 各種がん検診を実施し、がんを早期に発見し、早期治療につなげます。
・胃がん検診・・・・・35 歳以上 ・肺がん検診・・・・・35 歳以上
・大腸がん検診・・・・35 歳以上
・子宮がん検診・・・・20 歳以上の偶数年齢及び前年度未受診の女性、妊婦健康診査
・乳がん検診・・・・・40 歳以上の偶数年齢及び前年度未受診の女性
・前立腺がん検診・・・50 歳~74 歳の偶数年齢の男性
イ 精密検査未受診者の受診勧奨により、がんを早期に発見し、早期治療につなげます。 ・対象者への個人通知の実施
・がん検診実施機関との連携を図りながら精密検査の受診勧奨
ウ 受診率向上のために効果的な啓発活動の充実を図ります。 ・市政だより等でのPR
・講演会や研修会の実施
・地区組織を活用した受診勧奨
・対象者への個人通知の実施
・新対象者通知(20 歳:子宮がん検診、40 歳:肝炎ウイルス検査)
・無料対象者通知(30 歳:子宮がん検診、40 歳:乳がん・胃がん・大腸がん検診)
・国のがん検診推進事業の継続
子宮頸がん検診・乳がん検診・大腸がん検診の節目年齢の方に、検診手帳及び検診
無料クーポン券の配布
・受診率の低い年代への受診率向上対策
エ ウイルス感染が原因となるがんの検査や予防接種を実施し、がんの発症予防を図り ます。
・子宮頸がん予防ワクチンの接種・・・思春期女子
・肝炎ウイルス検査・・・40 歳以上の希望者、妊婦健康診査
・HTLV-1抗体検査(ヒトT細胞白血病ウイルスの感染を調べる検査)・・妊婦健康診査
オ 関係機関と密に連携を図り、各種がん検診のより良い実施体制の整備により、がん検
診の質の確保に努めます。 ・精度管理項目の精査
・がん検診実施機関及び精密検査実施機関と行政によるがん検診検討会の実施
カ ライフステージに応じ、がんと関連する生活習慣の要因についての対策を実施しま す。
・喫煙、過剰飲酒の害についての普及啓発
・塩分、塩蔵食品の過剰摂取等及び野菜、果物不足についての普及啓発
※その他 第4章 第2節 よりよい生活習慣の各分野に準ずる
キ 各種がん対策やがんに関しての統計分析など実態把握を行い、予防活動に生かしま す。
~胃がん検診~
2 循環器疾患から身を守る
脳血管疾患や心疾患などの循環器疾患は、血管が傷ついて動脈硬化症となった末に起 こってくる病気です。循環器疾患を予防するには、動脈硬化症を起こさないように血管の
損傷を防ぐことが重要であり、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの主要な危険因子の管理 を早期から行うことが大切です。
そのためには、食事、運動、たばこ、アルコールなどの望ましい生活習慣を身につける ことや生活習慣の改善を図ることが基本であり、危険因子をひとつでも減らしていくこと が重要です。
また、循環器疾患の重症化を防ぐには、血圧値、血糖値、コレステロール値を良い状態 に保つことが重要であり、治療の中断を防ぐことと生活習慣改善の継続が必要です。
(1)現状と課題
本市の循環器疾患で亡くなる人は、脳血管疾患や心疾患などあわせると死亡原因の3 割近くを占め、がんと並んだ主要死因となっています。
脳血管疾患との関連が強いと言われる高血圧は、脳や心臓の血管の動脈硬化を進め る重要な危険因子です。本市の特定健康診査の状況をみると、正常血圧者の割合がや や増加傾向にありますが、血圧値が中等度(Ⅱ度)及び重症(Ⅲ度)高血圧の人が、
約 4%おり改善を図ることが大切です。(表1)
また、脂質異常症は、心筋梗塞などの虚血性心疾患の危険因子であり、LDLコレ
ステロール値160mg/dl以上は虚血性心疾患の発症・死亡リスクが明らかに上昇します
が、本市の特定健診受診者のLDLコレステロール値の状況は、受診勧奨レベルであ る 140mg/dl以上の人が24.1%と4人に 1 人の割合で、そのうち 8 割以上の人が未治療 の状態であり、受診勧奨や生活改善が急がれます。(表 2)
さらに、メタボリックシンドロームは、栄養のとり過ぎや運動不足による肥満、特
に内臓脂肪の蓄積に高血糖・高血圧・脂質異常が重なっている状態で、循環器疾患が
発症しやすくなります。しかし、内臓脂肪を減らすことにより、発症の予防や危険因
子を減少させることができます。
本市の特定健康診査のメタボリックシンドローム該当者・予備群は約 3 割と高く、内
臓脂肪を減少させる生活習慣の改善など取り組みの強化推進が必要です。
健康診査は、市民一人ひとりが、自覚症状だけでは分からない現在の自分のからだ の状態を知り、そこから将来の健康状態を予測して、病気の発症や重症化を防ぐため に、生活習慣を見直す機会として重要なものです。
本市の特定健康診査の受診率は年々増加しており、全国・福島県より高い状況です が、目標の60%には届いていません。また、保健指導実施率は全国や福島県の平均よ り低い現状であることから、今後さらに受診率及び実施率向上の対策を図ることが必
要です。
LDLコレステロールを悪玉というのは ?
LDL(悪玉)コレステロール ⇒ コレステロールを全身に運ぶ
HDL(善玉)コレステロール ⇒ 余ったLDLコレステロールを肝臓に送り返す
コレステロールは、「細胞膜」「ホルモン」の材料で身体に不可欠なものですが、
Ⅰ度高血圧(軽度) 収縮期 140 以上 160未満 拡張期 90 以上 100未満 Ⅱ度高血圧(中等度)収縮期 160 以上 180未満 拡張期 100 以上 110未満
Ⅲ度高血圧(重度) 収縮期 180 以上 拡張期 110 以上
表 3 メタボリックシンドロームの予備群・該当者の割合(平成22年度) 市 福島県 全国
メタボリック該当者 16.5% 16.8% 16.3%
メタボリック予備群 13.6% 13.2% 10.8%
合 計 30.1% 29.9% 27.1%
(会津若松市国保特定健診受診者)
検査者数 正常 正常高値Ⅰ度高血圧 Ⅱ度高血圧以上 内訳
(再)Ⅲ度高血圧 未治療 治療
9,296
3,915 2,806 2,204 371 191 180 4.0% 51.5% 48.5% 42.1% 30.2% 23.7% 58 37 21
0.6% 63.8% 36.2%
8,952
4,035 2,633 1,947 337 183 154 3.8% 54.3% 45.7% 45.1% 29.4% 21.7% 42 31 11
0.5% 73.8% 26.2%
10,210
4,860 2,919 2,049 382 220 162 3.7% 57.6% 42.4% 47.6% 28.6% 20.1% 44 32 12
0.4% 72.7% 27.3%
10,500
4,846 3,111 2,120 423 242 181 4.0% 57.2% 42.8% 46.2% 29.6% 20.2% 52 37 15
0.5% 71.2% 28.8%
表1 会津若松市国保特定健診受診者の血圧の状況
平成
20 年
度
平成
21 年
度
平成
22 年
度
平成
23 年
度
(会津若松市健康増進課統計)
検査者数 内訳
未治療 治療
9,296
4,290 2,518 2,488 2,122 366
26.8% 85.3% 14.7%
46.1% 27.1% 921 801 120
9.9% 87.0% 13.0%
8,952
4,282 2,305 2,365 2,010 355
26.4% 85.0% 15.0%
47.8% 25.7% 854 743 111
9.5% 87.0% 13.0%
10,210
4,913 2,671 2,626 2,246 380
25.7% 85.5% 14.5%
48.1% 26.2% 1,001 882 119
9.8% 88.1% 11.9%
10,500
5,242 2,727 2,532 2,164 368
24.1% 85.5% 14.5%
49.9% 26.0% 921 813 108
8.8% 88.3% 11.7%
(会津若松市健康増進課統計) 表2 特定健康診査受診者のLDLコレステロールの状況
120未満 120~139 140以上 (再)160以上
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
(2)目 標
循環器疾患の発症予防及び重症化予防の視点から、脳血管疾患と虚血性心疾患で亡くな る人の減少と危険因子である血圧・脂質の高値者等の減少を目指します。また、自分の体 の状態を知ることが健康管理の出発点であるため、特定健康診査・特定保健指導の実施率
の向上を目指します。
項 目 現状値
(平成23年度)
目標値 (平成34年度)
脳血管疾患・虚血性心疾患の年齢調整死亡率の減少 脳血管疾患 男性
女性 虚血性心疾患 男性 女性
55.2% 29.0% 36.3% 16.8% (平成22年)
41.6% 24.7% 31.8% 13.7%
Ⅱ度以上高血圧高値者の割合の減少
(収縮期血圧160 以上または拡張期血圧100 以上の減少) 4.0% 3.0%
脂質異常症の割合の減少
(LDLコレステロール 160mg/dl以上の割合の減少) 男性女性 14.0.3%1% 現状維持または減少女性 8.8%
メタボリックシンドローム該当者及び予備群の減少 30.1%
(平成22年度)
平成20年度より25%減 少(平成27年度)
特定健康診査・特定保健指導実施率の向上 特定健康診査
特定保健指導
※目標値は、第2次特定健康診査等実施計画と合わせて設定
41.4% 15.3% (平成22年度)
60%(平成29年度) 60%(平成29年度)
(3)対 策
ア 自分の体の状態を知ることは、健康管理の出発点であるため、各ライフステージに おける健康診査の内容の充実とともに、受診率の向上を図ります。
・妊婦健康診査、乳幼児健康診査、特定健康診査等の実施及び健診内容の充実
・受診勧奨のための個別案内や広報による啓発
・地区組織活動団体との協働による啓発
イ 健診結果を基に、市民一人ひとりが自己の健康管理ができるよう支援体制の整備を 図るとともに、本市に特徴的な循環器疾患の発症及び重症化の要因の実態把握を行い、 予防活動に生かします。
・個人の状態に応じた情報の提供及び保健指導の充実
・血圧・脂質等の高値者に対する受診勧奨及び治療継続の重要性の啓発
・医療機関との連携強化による受診体制の整備
・健診結果の分析と循環器疾患の発症及び重症化要因の実態把握
ウ 基本的な生活習慣を身につけることで循環器疾患の発症因子をおさえることができ るよう、妊娠期・乳幼児期からのからだづくりを推進します。
・妊娠高血圧症候群の予防
・基本的な生活リズムやバランスのとれた食生活及び減塩習慣の普及啓発
※その他 第4章 第2節 よりよい生活習慣の獲得の各分野に準ずる
3 糖尿病から身を守る
糖尿病とは、すい臓で分泌されるインスリンが、何らかの原因で作用不足となることに よって、血糖値が高い状態が慢性的に続く代謝疾患群のことをいいます。血糖が高い状態 が長く続くと、網膜や腎臓、神経が障害される合併症や、全身の動脈硬化が進み心筋梗塞、 脳梗塞を発症するなど、生活の質の低下を招きます。
糖尿病は、加齢、家族歴、食べ方、肥満、運動不足のほか、高血圧や脂質異常も発症要 因となることから、これらの危険因子の管理を行うことが大切です。
また、糖尿病の可能性がある人が早期に治療を開始することや、治療中の人が治療中断 せずに良好な血糖コントロールを維持することが合併症の発症や重症化予防のために大変 重要です。
(1)現状と課題
本市の糖尿病の状況を特定健康診査が開始された平成20年度~23年度までの結果で
見てみると、正常域の人が若干減少し、糖尿病の前段階であるHbA1c5.5%から6.0%の 人が増加してきている状況があります。(表1)この値の領域は、生活習慣のあり方が
大きく影響すると言われています。特に食生活は、親から子へとつながっていく習慣で あるため、乳幼児期から成人までの健康実態や、食習慣の実態を把握し、ライフステー ジに応じた、かつ長期的視野にたった糖尿病発症予防への取り組みを行っていくことが 重要です。
さらに、要治療域であるHbA1c6.1%以上の割合については、減少傾向にありました が、平成23年度は再び上昇しています。特に、糖尿病合併症の一つである網膜症のリ
スクが著明に増えると言われているHbA1c8.0%以上の人が 100人前後みられます。 糖尿病合併症の予防には、血糖値を良好にコントロールし、治療を中断しないことが
大切です。本市の糖尿病有病者(HbA1c6.1%以上の者)の治療率は、平成20年度 51.4%
から平成23年度 55.7%と年々増加はしていますが、まだ約半数の方は未治療の状況に
あります。(図 1)
また、糖尿病の合併症の中でも、生活の質の低下だけでなく、身体的・経済的に負担 の大きい糖尿病性腎症による人工透析は、年々増加している状況があり、約半数の方に 糖尿病の基礎疾患が見受けられます。(図2)
60 歳を過ぎると、血糖をコントロールするインスリンの生産量が減ってくると言わ
れており、高齢化が進むことによる糖尿病の増加が懸念されています。
また、重篤な合併症を引き起こさないよう、今後対策をより強化していく必要があり ます。
HbA1c
(ヘモグロビンエイワンシー)ってなに?
血液中の糖とつながったヘモグロビンをHbA1cといいます。 血糖値は食事や運動で変動しますが、HbA1cは変動が小さく 過去1~2か月の血糖の平均値のことです。
(会津若松市健康増進課統計)
平成 17 平成 18 平成 19 平成 20 平成 21 平成 22 平成 23 平成 24 40
60 80 100 120 140
81 81
94
104
117 118 121
図 2 人工透析による特定疾病受療証交付人数の推移(人) 国民健康保険被保険者のみ
年
平成 20 平成 21 平成 22 平成 23
40 45 50 55 60
51.6
54.6 55.7
図 1 特定健康診査受診者の糖尿病を強く疑われる人( HbA1c6.1% 以上)の治療率の推移(%)
年度
(会津若松市健康増進課統計)
51.4
74
(会津若松市国保年金課統計)
検査者数 内訳
未治療 治療
9,264
5,546 1,999 1,077 642 312 330 6.9% 48.6% 51.4%
59.9% 21.6% 11.6% 83 35 48
0.9% 42.2% 57.8%
8,951
5,352 1,933 1,067 599 290 309 6.7% 48.4% 51.6%
59.8% 21.6% 11.9% 93 40 53
1.0% 43.0% 57.0%
10,210
6,005 2,276 1,257 672 305 367 6.6% 45.4% 54.6%
58.8% 22.3% 12.3% 86 44 42
0.9% 51.2% 48.8%
10,500
6,156 2,259 1,338 747 331 416 7.1% 44.3% 55.7%
58.6% 21.5% 12.7% 108 51 57
1.0% 47.2% 52.8% 表1 会津 若 松市 国保 特定 健診 受診者のHbA1cの 状 況
5.1以下
(正常) (5.2~5.4正常高値) (境5.5~6.0界領域)
6.1以上 (要治療域)
(再)8.0以上
平成
20
年度
平成
21
年度
平成
22
年度
平成
23
(2)目 標
糖尿病の発症予防及び重症化予防の視点から、合併症の減少、糖尿病有病者および血糖 のコントロール不良者の減少と、特定健康診査、特定保健指導実施率の向上を目指します。 項 目 現状値
(平成23年度)
目標値 (平成34年度)
合併症(年間透析患者数)の減少 121 人
(平成24年) 現状維持または減少
治療継続者の割合の増加
(HbA1c(JDS)6.1%以上のうち治療中と回答した割合の増加) 55.7% 75.0%
血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の
割合の維持または減少
(HbA1c(JDS)8.0%以上の割合の維持または減少)
1.0% 現状維持または減少
糖尿病有病者の増加の抑制
(HbA1c(JDS)6.1%以上の割合の抑制) 7.1% 現状維持または減少 メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少
30.1% (平成22年度)
平成20年度より
25%減少(平成27年度)
特定健康診査・特定保健指導実施率の向上(再掲) 特定健康診査
特定保健指導
※目標値は、第2次特定健康診査等実施計画と合わせて設定
41.4%
15.3% (平成22年度)
60%(平成29年度) 60%(平成29年度)
(3)対 策
ア 自分の体の状態を知ることは、健康管理の出発点であるため、各ライフステージに おける健康診査の内容の充実とともに、受診率の向上を図ります。
・妊婦健康診査、乳幼児健康診査、特定健康診査等の実施及び健診内容の充実
・受診勧奨のための個別案内や広報による啓発
・地区組織活動団体との協働による啓発
イ 健診結果を基に、市民一人ひとりが自己の健康管理ができるよう支援体制の整備を 図るとともに、本市に特徴的な糖尿病の発症及び重症化の要因の実態把握を行い、予 防活動に生かします。
・個人の状態に応じた情報の提供及び保健指導の充実
・血糖高値者に対する受診勧奨及び治療継続の重要性の啓発
・医療機関との連携強化による受診体制の整備
・健診結果の分析と糖尿病の発症及び重症化要因の実態把握
ウ 基本的な生活習慣を身につけることで糖尿病の発症因子をおさえることができるよ う、妊娠期・乳幼児期からの体づくりを推進します。
・妊娠糖尿病の予防
・基本的な生活リズムやバランスのとれた食生活の獲得についての普及啓発
・体を動かすことの大切さの普及啓発
第2節 より良い生活習慣の獲得
1 栄養・食生活の改善
食は、生命を維持し、活動エネルギーを保つために不可欠なものです。
しかし、食事の摂り過ぎや栄養の偏りなどは、肥満ややせをもたらし、生活習慣病を引 き起こす要因となります。特に肥満は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症と深く関係し、心
筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすため、適正な体重を維持していくことが大変重要になり ます。
肥満や生活習慣病を予防するためには、妊娠期から各ライフステージを通して、適正な
食習慣を身につけ、自分の身体の状態に合わせて食品の選択ができる力を育み実践できる ことが重要になってきます。
また、食生活の改善は、その地域で育まれてきた食文化や特徴的な食傾向など、地域性
を考慮して取り組む必要があり、平成22年度策定の「会津若松市食育推進計画」(10か年 計画)による取り組みを進めるとともに、本計画では、特に生活習慣病発症予防と重症化 防止に視点を置いて取り組みます。
(1)現状と課題
平成23年度特定健康診査結果によると、BMI25 以上の肥満者の割合は、男性は、
40 歳代に多い結果となっています。女性では年齢が高くなるにつれて増加する傾向に あります。(図 1)
また、子どもの肥満については、3 歳児の肥満度15%以上の割合は、ここ数年4%前 後と横ばいの状況です。(図2)肥満度 30%以上の小学生の割合も、ここ数年5%前後
で横ばいで推移しています。子どもの頃からの肥満は、脂肪細胞を過剰に増加させ、 成人の肥満につながりやすく、生活習慣病の発症を加速させるため、乳幼児期からの
切れ目ない肥満対策が重要です。
生活習慣病の発症予防には、子どもの頃から規則正しい生活リズムを身につけ、バ
ランスよく適量を食べることや、間食・遅い夕食・習慣的な夜食など食べ方に注意して
適正な食習慣を獲得することが重要です。
また、高血圧と関連の深い減塩も重要な要素です。平成24年健康意識調査によると、
子どもの食事をうす味に注意している保護者は、1歳 6か月児 76.7%、3 歳 6か月児
60.9%と月齢が上がるにつれて減少しています。味覚形成は 10 歳頃に完了すると言わ
れており、早い時期からうす味の習慣を身につけることが必要です。
(特定健康診査)
平成20
平成21
平成22
平成23
平成20
平成21
平成22
平成23
平成20
平成21
平成22
平成23 10
20 30 40 50
35.3 39.5
43.1 41.5
37.2 37.6 36.2
35.4
31.3 31.0 31.9 33.2
19.6 22.1 20.7 22.6
24.0 22.4
26.1 25.4 25.8 25.1 24.1 25.9
図 1 40 ~ 60 歳代の肥満(BMI 25 以上)の割合の推移( % ) 男肥満率
女肥満率
年 度
40歳代 50歳代
(2)目 標
生活習慣病を予防するには、子どもからの肥満者の減少と、うす味に心がけている人の 増加を目指します。
項 目 現状値
(平成23年度)
目標値 (平成34年度)
適正体重を維持している人の増加 肥満傾向の子どもの減少 小学1 年~6年
40 歳~60 歳代の肥満者の減少
男性
女性
5.1%
34.6%
25.5%
減少
28.0%
19.0%
うす味に心がけている人の増加
(食事をうす味にしている3 歳児の保護者) 60.9%(平成24年度) 80%
(3歳6か月児健康診査)
平成19 平成20 平成21 平成22 平成23
0 10 20 30 40 50 60 0 1 2 3 4 5 25 23 21 16 19 11 22 13 10 13 8 6 10 3 7 4.41 4.87 4.47 3.16 3.85
図2 3歳児の肥満傾向(肥満度15%以上)の出現率の推移
30%以上
20~30%未満
15~20%未満
肥 満 者 数
肥 満 出 現 率
(人) (%)
(3)対 策
ア 適正体重が維持できるよう、各個人に応じた食事のバランスや適量、正しい食習慣 について周知を図ります。
・母子健康手帳交付、乳幼児健康診査、健康教室、家庭訪問等での情報の提供
・広報紙等の活用による情報の提供
・関係機関との連携による情報の提供
イ 健診結果を基に、市民一人ひとりが自己の食管理ができるよう支援します。 ・個人の健康状態に応じた情報の提供及び栄養指導の実施と医療機関との連携
ウ 生活習慣病発症等に影響する食の実態などの課題を明確にし、関係機関や健康づく り団体と課題を共有し、改善に取り組みます。
・健診結果データに関連する食生活(習慣)の実態把握と課題の明確化 ・保育所や幼稚園、学校等と連携した切れ目ない肥満対策の実施 ・医療機関と連携した食事療法の実施
・食生活改善推進員の養成・育成等による地域支援体制づくり
食育推進計画ってなあに?
平成23年度からはじまった会津若松市の食育推進計画は、乳幼児期・学齢期・青少年期・成年期・ 高齢期の年代別で取り組むべき、重点テーマを掲げています。
子どもは、生活の自立に向けて、柱となる食事の正しい習慣を身につけることが大切です。
青少年期までの正しい習慣が、成年期以降のテーマで、自分の力で自分に合ったものや量を選んで食べることにつ ながります。
近年よく耳にする“食育”について、みんなで一歩ずつ食への関心を高めていきましょう。
会津若松市食育キャラクター「こぼりん」について
食育がさらに市民の皆さんの身近なものとなるように。
郷土のものと食材を組み合わせたキャラクターが誕生しました。
キャラクターは、会津の縁起物・郷土玩具である「起き上がり小法師」と漆の茶碗がモデルです。 起き上がり小法師には「無病息災」「家内安全」といった縁起があり、家族(全市民)の健康を促す食育と 通じるものがあります。また、赤い漆器に盛った御飯のような全体像には、「米どころ・会津」らしい地域ブ ランドの意味も込めました。
2 身体活動・運動の推進
身体活動とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する全ての動きをい い、運動とは身体活動のうち、スポーツやフィットネスなど健康・体力の維持・増進を目 的として行われるものをいいます。
身体活動・運動量が多い人は、活動量の少ない人と比較して循環器疾患やがんなどの発
症リスクが低いことが実証されています。また、最近では、高齢者の認知機能や運動機能 の低下などの社会生活機能と関係することも明らかになってきました。
これらの身体活動・運動の意義と重要性が広く認知され、多くの人が無理なく運動を実 践し、活動的に日常生活を送ることは、超高齢社会を迎えるにあたり大切になります。 さらに、次世代を担う子どもにとっても、生涯にわたる健康づくりのために、運動習慣 の定着は、将来の生活習慣病の予防と活動的な生活を送るために重要となります。
(1)現状と課題
幼児・学童からのよりよい運動習慣の獲得は将来の健康な体づくりのために大切で あり、乳幼児健康診査・遊びの教室・保育所・幼稚園等での遊びの紹介により、3 歳児
では 1 日 1時間以上外で遊ぶが約 7 割を占め、1 日平均 4 時間以上テレビやビデオを見
たり、テレビゲームをする3 歳児の減少もみられます。しかし、小学 5年生女児は 16.7%が運動・スポーツをしない状況もみられています。(図 1)
成人期における歩数の不足ならびに日常生活における身体活動の低下は、肥満や生 活習慣病発症の危険因子となりますが、本市の特定健康診査受診者の65 歳未満では、1 日 1時間以上の歩行または同程度の運動を行っている人は27.8%であり、30分以上の
運動を週2回以上する運動習慣者も65 歳以上に比べて明らかに少ない状況にあります 。
(図2・3)
このように、総人口に占める高齢者の割合が最も高くなる時期に高齢期を迎える現
在の壮年期の身体活動の不活発さは、肥満や生活習慣病の発症危険因子だけでなく高 齢期の自立度の低下や虚弱の危険因子であるなどから、対策の必要があります。
運動習慣がない理由として、65 歳未満では「多忙で運動する時間が取れない」こと があげられていることから、自宅や身近な場所で手軽に実施できる運動の紹介が必要 になっています。ウォーキングや室内運動の紹介とともに、多様なニーズに対応した
(平成22年全国体力・運動能力、運動習慣等調査)
(平成23年度特定健康診査) (平成23年度特定健康診査)
(2)目 標
生活習慣病を予防し、生涯自立した生活が出来るよう、日常生活の歩数を増やし活発
な日常生活を送る人の増加や運動を習慣化する人の増加を目指します。
項 目 現状値
(平成23年度)
目標値 (平成34年度)
日常生活における歩数の増加
(日常生活で歩行または、同程度の運動を 1 日 1時間以上する人の増加)
40~64 歳 27.8%
65 歳以上 41.2% 増加
運動習慣者の増加
(30分以上の運動を週2回以上実施している人)
40~64 歳 24.6% 65 歳以上 40.6%
35.0% 50.0%
40歳~64歳以下 65歳以上
0 20 40 60 80 100
27.8 41.2
72.2 58.8
図 2 1 日 1 時間以上の歩行又は同程度の運動(%)
行っていない 行っている
0 50 100
40歳~64歳以下 65歳以上
0 20 40 60 80 100
24.6 40.6
75.4 59.4
図3 週に 2 回以上 30 分以上の運動習慣状況(%)
無し 有り
本市 男子 全国平均 男子 本市 女子 全国平均 女子
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
68.9 61.4 31.1
37.1
20.0 28.4 33.3
44.7
6.7 6.6 18.9
12.7
4.4 3.6 16.7
5.5 図1 小学5年生の運動・スポーツの頻度(%)( 学校体 育は除く)
(3) 対 策
ア 生活習慣病の発症予防や適正体重の維持のため、いくつになっても活動的な日常生 活を送ることが出来るよう、個人の健康状態に応じた身体活動の増加や運動普及を図 ります。
・乳幼児健康診査などにおいて、子どもの頃からの体を動かす大切さや楽しさを紹介 ・安全なウォーキングの普及
・冬期間の室内運動の普及
・運動施設やニュースポーツ等の紹介 ・広報紙等を活用した情報の提供
イ 保育所・幼稚園、教育機関等の連携により、課題等の共有を図り運動習慣の獲得に向 けた取り組みをすすめます。
・保育所・幼稚園・学校等とともに、楽しく体を動かす運動の普及
・ウォーキング自主グループや健康づくり団体等と連携し、安全な運動の普及
・民間運動施設と連携を図り、個人の健康状態やニーズに合わせた運動の普及
いくつになっても活動的な生活を送るために
話題!!注目!!
ロ
コ
モ
テ
ィ
ブ
シ
ン
ドロ
ー
ム
(運動器症
候群
)の予防
○ロコモティブシンドロームとは
「立つ」「歩く」などに関係する体の運動器が衰え、生活の自立度が低下 し、介護が必要となる危険性の高い状態をいいます。
○起因する代表的な病気
骨粗しょう症・変形性関節症等
○体のサイン
①正座がつらい
②片足で立つとふらつく
③てすりがないと階段が上がれない
※ウォーキングマップ「歩いてあいづ」の掲載運動もおすすめです 室内運動・毎日のお手入れ運動・ウォーミングアップ・クールダウン
3 休養の確保
経済状況など社会情勢の変動が多い現代は、家庭でも社会でも常に多くのストレスにさ らされています。心身の健康を保つためには、十分な睡眠をとり、ストレスと上手につき あうことが重要です。
ストレス解消がうまくできない状態が続き、睡眠不足が加わると、心身の体調を崩しや すくなり、肥満・高血圧・糖尿病の発症や悪化の要因になり、心疾患や脳血管疾患を引き 起こし、死に至ることもあることから、睡眠に視点をあてた休養についての取り組みを推 進していくことが重要です。
(1)現状と課題
特定健康診査受診者の睡眠で休養が十分にとれていない人は約 2 割で、健康意識調査
でも2 割の方が睡眠で休養が十分とれていない状況にあります。特に、20 歳から50 歳
代では約 3 割と高くなっていることから、現状の把握と分析を行い、個人の対処能力
を高めるための正しい知識の習得と、健康的な生活習慣による心身の健康の保持増進 を図る必要があります。
(図 1・図2)
(平成23 年度特定健康診査)
(平成24年健康意識調査) とれる
とれない
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
80.1 19.9
図 1 睡眠により休養が十分とれている人の割合 (%)
1.9
0.8
充分とれている まあまあとれている あまりとれていない とれていない
20・30歳代
40・50歳代
60歳代
70歳代
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
25.7
25.8
41.1
44.8
43.7
47.5
43.4
42.9
25.7
23.5
13.6
11.5
4.9
3.2
図 2 ここ 1 ヶ月間、睡眠で休養が十分とれている人の割合(%)
(2)目 標
睡眠は、健康との関連が明らかになっているため、睡眠による休養を推進することを 目指します。
項 目 現状値
(平成23年度)
目標値 (平成34年度)
睡眠による休養を十分にとれていない人
の減少 19.9% 15.0%
(3)対 策
ア 睡眠不足や睡眠障害が肥満、高血圧、糖尿病の発症や悪化要因であること、心疾 患や脳血管障害を引き起こすことなどの睡眠と健康に関する正しい情報発信により、
知識の普及・啓発を行います。
・市の広報活動(市政だより、FMあいづ、市ホームページ等)での普及啓発活動 ・各種保健事業での普及啓発
イ 睡眠と健康に関する実態を把握し、今後の対策につなげます。 ・特定健康診査問診と検査結果の実態把握と分析
質の
良
い
睡眠
をとるには
?
睡眠はおもに、脳が休む「ノンレム睡眠」、身体のみが休息する「レム睡眠」が交互に 現れることで構成されています。
特に、寝入り始めの3時間は「ノンレム睡眠」が多く現れるため、
睡眠の最大の目的である「脳の休息」を十分に取ることができます。
しかし、就寝前の飲食やテレビなどで脳が興奮したまま眠りに入ると、大切な最初の3時間 間の睡眠の質が悪くなり、熟睡感が得られにくくなります。
就寝前の行動を見直し、リラックスした生活環境を整えることが大切です。
4 歯・口腔の健康づくり
歯・口腔の健康は、口から食べる喜び、話す楽しみを保つ上で重要であり、歯の喪失に よるかむ機能や発音の機能低下は、身体的な健康のみならず、精神的、社会的な健康にも
影響を与え、最終的に生活の質に大きく関与します。
超高齢社会を迎えるにあたり、歯・口腔の健康と質の高い生活を営む上で、むし歯と歯 周病の予防対策が必要になります。
また、歯周病と糖尿病や循環器疾患等との密接な関連性もあることから、壮年期の健康 づくりにおいて歯周病予防は重要です。
(1)現状と課題
むし歯のある子どもは、1歳 6か月児では 1.8%に対して、3 歳 6か月児になると
29.9%と増加しています。(図 1)幼児期は、生活習慣の基礎が作られる時期でもあり、
歯みがきや間食の摂り方など歯科保健の取り組みが大切になります。特に3 歳児頃は、
食べるための機能づくりに欠かせない歯列が完成する大切な時期でもあり、3 歳児前か らのむし歯予防対策は重要になります。
小・中・高校生の健康意識調査では、1 日3回以上歯みがきをしている人は、学年が 進むにつれて減少し、高校生では3 割にも至っていない状況にあります。(図2) 成人では、「年 1 回程度、歯科医院で歯や歯肉の状態を見てもらっている人」は3 割
を占め、歯の健康への関心は高まっていますが、妊娠期の歯科受診は、3 割に満たない 状況です。妊娠期は歯周病にかかりやすいことからも、歯石除去や歯科清掃の大切さ を広報するとともに、妊娠期の安定期に治療をしておくことを周知していくことが大 切になります。(図3・図4)
また、高齢期の口腔機能の低下は、低栄養を招く要因のひとつであり、生活の質の
低下を招くことから、口腔機能を維持するための取り組みが重要です。
(平成23年度乳幼児健康診査)
3歳6か月児 1歳6か月児
0 20 40 60 80 100
29.929.9 図1 むし歯の有無の割合
むし歯あり
むし歯なし (%)
1.8 98.2
(平成24 年健康意識調査)
(平成23 年度妊婦一般健康調査) (平成24 年健康意識調査)
(2)目 標
定期的な歯科健診や乳幼児期からのむし歯を予防することで、歯の喪失や歯周病予防 を目指します。
項 目 現状値 目標値
(平成34年度)
3歳児でむし歯のない子どもの増加 70.1% (平成23年度) 90.0%
12歳でむし歯のない子どもの増加 45.1% (平成24年度) 65.0%
過去1年間に歯科健診を受診した人の増加 31.6% (平成24年度) 65.0%
(3)対 策
ア むし歯や歯の喪失を予防するために、ライフステージに応じた歯科保健対策を推進 します。
・母子健康手帳交付時に歯科受診の必要性についての意識啓発
・幼児健康診査における集団・個別指導の充実
・保育所・幼稚園・学校等における歯科保健の推進 ・定期的な歯科健診の受診勧奨
・高齢者における口腔機能向上のための意識啓発
イ 関係機関と連携を強化し、より効果的な歯科保健対策のあり方を検討します。 ・関係機関と連携し課題の共有化と対策の検討
28.3
28.3
71.771.7
図3 妊娠期の歯科受診の割合(%)
受けた 受けない
男性 女性 全体
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 27.5
35.0 31.6
72.572.5
65.065.0
68.4
68.4 図4 年1回程度の歯科受診状況(%)
受診している していない
10 20 30 40 50 60 70 80 90
28.0
59.9
81.4
図2 1 日 3 回以上歯をみがいている小・中・高生の割合(%)
5 適正な飲酒
昔からの酒どころである会津地方は、酒が人との交流の機会に親しまれてきています。 一方では慢性的な飲酒による臓器障害、アルコール依存症、妊婦の飲酒による胎児への
影響等があり、また、がん、高血圧、脳出血、脂質異常症などの生活習慣病が、1 日の飲 酒量と比例して上昇することがわかってきています。
健康日本21(第2次)では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量について、1 日の純 アルコール摂取量が男性で40 g (日本酒に換算して2合程度)以上、女性は1日20 g
(日本酒に換算して 1 合程度)以上とされています。
飲酒と健康問題について適切な判断ができるよう、妊婦や未成年者への健康の影響と生 活習慣病の予防のための適正飲酒等について正しい知識を普及する必要があります。
(1)現状と課題
妊 娠期 の飲 酒に つ い て 、妊 娠 3 か 月頃は 、時 々 飲む 、毎日飲む を あ わせる と 18.6%、妊娠 8か月頃で、時々飲むが4.0%あります。(図 1)妊娠期の飲酒は、胎児 性アルコール症候群や発達障害を引き起こすとされており、妊婦の飲酒をなくす対策 が必要となっています。また、そのような女性が飲酒しないよう、周囲の人達が理解 し支援することも大切です。
健康意識調査では、飲酒する人のなかで男性は40 歳から70 歳代まで約半数が毎日飲 酒しており、女性は40 歳から50 歳代で約 3 割が毎日飲酒をしております。
特定健康診査の結果、生活習慣病のリスクを高める量の飲酒をしている人は、男性
は横ばいですが、女性はやや増加傾向にあります。(表1)
飲酒と関係の深い「γ-GT」は、特定健康診査を受けた人の中で異常者の割合は、 年々増加傾向にあり、(表 2)異常者のなかでも要医療判定者(受診勧奨域)で飲酒習 慣があり、アルコール摂取量が 1 合以上の人は、それぞれ男性で約 9 割、女性で約 5 割
を占めています。(図2・3)また、3合以上の多量飲酒は、肝臓障害をおこすだけでな く、高血糖、高血圧、脂質異常、高尿酸状態を引き起こします。
今後も、発症予防のために個人の健康状態に見合った適切な支援が必要となります。
(平成23 年妊婦一般健康診査)
妊娠8か月頃 妊娠3か月頃
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
96.0 81.4
4.0 17.3 図1 妊娠中の飲酒の割合(%) 飲まない 時々飲む 毎日飲む
表1 生活習慣病のリスクを高める量の飲酒をしている人の割合の推移(%) 平成21 年度 平成22年度 平成23年度 男性1 日2合以上 13.4 13.3 13.3 女性1 日1合以上 3.4 4.3 4.3
(特定健康診査)
表 2 「γーGT」の健診結果の異常出現率の年次推移(%)
平成21 年度 平成22年度 平成23年度
男 性 29.6 29.8 30.4
女 性 7.0 7.8 8.1
(特定健康診査)
(平成23 年度特定健康診査)
男性 女性
0 20 40 60 80 100
9.1
3.2 80.3
44.4 10.6
52.4
図 3 γ‐GT要医療判定者で飲酒習慣者の アルコール摂取量(%)
20g以下(1合未満) (1合以上3合未満)
60g以上(3合以上)
男性 女性
0 20 40 60 80 100
91.2
55.3 8.8
8.8
44.7
44.7
図2
γ‐GT要医療判定者の飲酒習慣の状況(%)
習慣なし
(2)目 標
妊娠期の飲酒をなくすとともに、生活習慣病の発症予防を図るため、適正飲酒を目指し ます。
項 目 現状値
(平成23年度)
目標値 (平成34年度)
妊娠中の飲酒をなくす 18.6% 0%
生活習慣病のリスクを高める量を 飲酒している人の割合の減少
男性 純アルコール摂取量40g (日本酒で2合程度)
女性 純アルコール摂取量20g (日本酒で1合程度)
13.3%
4.3%
13.0%
維持又は減少
(3)対 策
ア 飲酒による健康への影響について、関係機関と連携し普及啓発していきます。 ・母子健康手帳交付時における禁酒の指導
・医療機関と連携し妊娠期における禁酒指導
・学校教育における指導
・対象に合わせた飲酒についての情報提供、広報活動
・20 歳の子宮がん検診通知時の情報提供
イ 個人の健康状態に見合った適正な飲酒により、生活習慣病の発症予防を推進してい きます。
・各種健康診査の結果に基づいた適正な飲酒への個別指導
肝臓
をいたわる
美
味
しいお酒の飲み方
肝臓では1時間で7gのアルコールが処理されます。
多く取りすぎると、それだけ処理に時間がかかり、肝臓に負担がかかります。
アルコール摂取の適量は1日あたり「20g」が目安です。
ビール・・・・・・・・・500ml 日本酒・・・・・・・・・1合 180ml 焼酎・・・・・・・・・・・0.6合 110m ウイスキー・・・・・・ダブル1杯 60ml ワイン・・・・・・・・・・1/4本 約180ml 缶チューハイ・・・・1缶 約350ml
γ-GT(ガンマージーティー)はγ-GTP(ガンマージーティーピー)とも呼ばれています。
肝臓の解毒作用に関係している酵素で、肝臓や胆道の細胞が壊れると血液中に流れ
6 たばこの害から身を守る
喫煙は、がん、脳血管疾患、虚血性心疾患、呼吸器疾患、糖尿病、早産、低出生体重児
等の原因であり、受動喫煙も、乳幼児の喘息や呼吸器系の感染症、乳幼児突然死症候群等 の健康被害の原因です。
たばこは、吸わない人でも吸う人の周囲で短期間、少量を吸うことによって健康被害が 生じますが、禁煙することによる健康改善の効果についても明らかにされています。 たばこ対策は「喫煙率の低下」と「受動喫煙の防止」が重要であり、たばこと健康につい て、正確な知識を普及する必要があります。
なお、呼吸器疾患の慢性閉塞性肺疾患は、長期の喫煙によってもたらされる肺の炎症性
疾患で、近年きわめて重要な疾患として注目されています。この病気の発症予防と進行を
止めるためには、早期に禁煙するほど有効であることから、たばこ対策を着実に実行する ことが求められています。
(1)現状と課題
たばこによる健康被害が明らかになっているにもかかわらず、健康意識調査による と、乳幼児のいる世帯でも喫煙者が半数以上で、幼いうちから受動喫煙の環境にさら されている状況がうかがえます。(図 1)乳幼児は、体の機能が未発達であり、さまざ
まな健康への影響が懸念されます。ベランダでの喫煙も、たばこの煙がドアの隙間か ら大量に侵入するという研究結果がありますので、たばこの害について正しい情報を
伝えることが大切です。
また、妊娠中の喫煙については、妊娠 3か月頃は8.8%、妊娠 8か月頃は6%であり、
全国の5%より高くなっています。(図2)妊娠の可能性が高い20 歳から30 歳代女性
の喫煙率が増加していることが、影響していると考えられます。
妊娠中の喫煙は、自然流産、早産、出生時の低体重、出生後の乳児突然死症候群の
リスクとなるため、妊娠中の禁煙とあわせて家族等身近な人からの受動喫煙を防ぐよ
う支援していくことが必要です。
禁煙は、たばこによる健康被害を確実に減少させるとともに、たばこを吸わない人
への受動喫煙の防止、さらには未成年者の喫煙防止にもつながり、最善の解決策とし て重要です。
本市の成人の喫煙率を特定健康診査の結果から見ると、全国の喫煙率より低い傾向 にありますが、男女ともに横ばいの状況です。(表1)
しかし、たばこに含まれるニコチンには強い依存性があり、自分の意思だけではや められないことが多いため、禁煙支援の推進が重要です。
また、受動喫煙防止として、禁煙している公共施設は敷地内、施設内ともに増加し ていますが、全ての公共施設が全面禁煙となるよう、受動喫煙防止の環境を整えてい くことが必要です。
3歳6か月児のいる世帯
1歳6か月児のいる世帯
4か月児のいる世帯
0 10 20 30 40 50 60 70 80
55.4 50.2
(平成23年 妊婦一般健康診査)
表1 喫煙率の年次推移(%)
平成21 年度 平成22年度 平成23年度
男性 27.0 25.7 25.9
女性 6.8 6.5 6.7
(特定健康診査)
(2)目 標
たばこによる健康被害を確実に減少させるため、妊娠中の喫煙をなくし、成人の喫煙 率の減少を目指します。
項 目 現状値
(平成23年度)
目標値 (平成34年度)
妊娠中の喫煙をなくす 8.8%
(妊婦一般健康診査) 0%
成人の喫煙率の減少 男性
女性
25.9%
6.7%
18.0% 5.0%
(3)対 策
ア
たばこのリスクについて、広く普及啓発し、関係機関との連携により指導の徹 底を図ります。・たばこの害や禁煙についての情報提供 ・母子健康手帳交付時における禁煙指導
・医療機関と連携し喫煙妊婦への指導
・乳幼児健康診査などにおける個別指導
・学校教育における指導
・20 歳の子宮がん検診通知時の情報提供
妊娠8か月頃 妊娠3か月頃
0 20 40 60 80 100
94.0 91.2
6.0 8.8 図 2 妊娠中の喫煙率(%)
イ 喫煙による生活習慣病発症のリスクの高い人への禁煙支援を推進していきます。 ・各種健康診査の結果に基づいた禁煙支援・禁煙治療への個別指導
ウ 施設における受動喫煙防止対策を推進します。 ・公共施設における受動喫煙防止対策の推進
「分煙していますよ」 4か月児のいるお父さんからの声
「子どもがいるので換気扇の下やベランダでたばこを吸うように気を付けています」 というお父さん。
本当にたばこの害はないのでしょうか。
実は・・・・・・・・
外から帰って玄関のドアを開けたら、コーヒーの香りやカレーの香ばしい匂いがしてきま すね。煙や匂いはドアや窓の間から、微量に入って広がっていくのです。
ベランダや換気扇の下で吸っても、ほんのわずかな隙間からたばこの煙は入ってきます。 また、『喫煙者の洋服や髪の毛についたたばこの有害物質も、結果的に子どもに受動喫 煙をさせている』という、衝撃の事実も研究でわかってきました。
―せき・たん・息切れはありませんか―
COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気
階段をのぼる時の息切れ、長引くせき・たんはありませんか。 もしかしたらCOPDかもしれません。
第3節 こころの健康の維持・向上
1 こころの健康づくり
こころの健康とは、いきいきと自分らしく生きるために重要な条件です。こころの健康 を保つには、適度な運動や、バランスのとれた栄養・食生活、心身の疲労回復のための休
養等が大切です。
一人ひとりがこころの健康に関する正しい知識を持ち、自分のこころの不調に気付き対 処できることが重要です。
さらに、健やかなこころを支えるためには、こころの病気への対応を多くの人が理解す ることが不可欠であり、社会全体で取り組む必要があります。
(1)現状と課題
心配事や過労など、心身へのストレスが続くと、こころの病気の引き金となります 。
うつ病は、こころの病気の代表的なものであり、多くの人がかかる可能性のある病気 です。また、自殺の背景にはうつ病が多く存在することが指摘されています。
本市の自殺者数は年間30人前後で推移しており、うつ病など、こころの病気の早期
発見や早期治療により、自殺者を減少させる取り組みが必要です。(図 1)
健康意識調査では、気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感 じている人は全
体で 13.5%おり、特に20 歳から30 歳代では約 2 割とほかの年代に比べ高い状況でした。 (図2)
また、「悩んだときや辛いときに、身近に相談できる人がいない」人は、40 歳から
60 歳代の男性に多く、「わからない」を含めると4 割を占めます。また、本市の自殺
者の8 割が男性であることから、壮年期男性の健康課題となっています。(図3) こころの健康の維持や自殺予防のために、正しい知識や対処方法を知り、本人や家 族、さらには地域がみんなでこころの健康を支える社会づくりが必要です。
(福島県保健統計の概況)
平成 18 平成 19 平成 20 平成 21 平成 22
0 5 10 15 20 25 30 35 40
37 37
26
36
27 図1 会津若松市 の自殺者数の推移(人)
(平成24年健康意識調査)
<参考>k6について
k6は米国のkesslerらによって、うつ病・不安障害などの精神疾患をスクリーニングすることを目的として開発さ れ、一般住民を対象とした調査でも心理的ストレスを含む何らかの精神的な問題の程度を表す指標として広く 利用されています。「神経過敏に感じましたか」「絶望的だと感じましたか」「そわそわ、落ち着かなく感じました か」「気分が沈み込んで、何が起こっても気が晴れないように感じましたか」「何をするのも骨折りだと感じました か」 「自分は価値のない人間だと感じましたか」の6つの質問について5段階(「まったくない」(0点)、「少しだ け」 (1点)、「ときどき」(2点)、「たいてい」(3点)、「いつも」(4点)で点数化する。合計点数が高いほど、精神 的な問題が重い可能性があるとされています。
(平成24年健康意識調査)
20・30歳代 40・50歳代 60歳代 70歳代 20・30歳代 40・50歳代 60歳代 70歳代
0 10 20 30
20.2 7.6
4.1 8.3
24
16 13.9 8.8
図 2 気分障害・不安 障害に相当する心理的苦痛を感じている人( 10点以上)の割合(%) (K6 によるスクリーニング)
男性
女性
20・30歳代
40・50歳代
60歳代
70歳代
20・30歳代
40・50歳代
60歳代
70歳代
0 20 40 60 80 100
67.5
61.8
62
73.9
83.9
75
80.4
87.4
8.8
18.8
17
10.4
6
6.6
9.8
8.7
23.7
19.4 21
15.7
10.1 18.4
9.8 3.9
図 3 悩んだと き辛い ときに、身近に相談できる人がいる割合(%)
わからない いない いる 男性
(2)目 標
こころの病気の早期発見・早期治療につながる、正しい知識を普及することで、自
殺者の減少を目指します。
項 目 現状値
(平成22年度)
目標値
(平成34年度)
自殺者の減少(人口 10 万人あたり) 21.4 減少
(3)対 策
ア こころの健康や病気に関する知識や、対処方法を普及啓発していきます。 ・個人の対処能力を高めるため、ストレスなどのこころの健康に関する正しい知識
の普及
・こころの病気に関する正しい知識の普及と対応
イ こころの病気の早期発見・早期治療、及び自殺予防のために、個人・家庭・地域
がみんなで支え合える環境づくりを推進します。
・家庭、学校、職場、地域の連携(情報や課題の共有等) ・こころの健康を支える人材(ゲートキーパー)の養成